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2025.12.12 17:00

「安定と挑戦の両立」一代で売上1兆円を見据える経営者が語る“最高のキャリア選択”


岩手県の豊かな自然の中で育ち、将来の夢はコックさん、F1レーサーと移り変わっていった少年。彼は今、渋谷と梅田の二拠点に本社を構え、いずれも高層ビルにオフィスを持つ、売上1兆円を目指す総合不動産会社の経営者となった。

大和財託株式会社 代表取締役CEOの藤原正明氏は、昔から「経営者になりたい」という想いを持っていたという。その背景には家族経営の会社をやっていた父の存在が大きかった——。

父の背中が、今の仕事観に影響を与えている

── 幼少期はどのように過ごされていましたか。思い出に残っているエピソードもあれば教えてください。

私は岩手県矢巾町という現在の人口が2万6000人ほどの小さな町で生まれました。子供の頃はとにかく自然が遊び場でしたね。虫が大好きで、夏は毎日のようにカブトムシを捕りに行ったり、アリジゴクを観察したりしていました。

都会の子供みたいに塾に通うこともなく、学校の宿題をさっと済ませたら、すぐ外に飛び出していたのを覚えています。幼稚園の卒業アルバムには「コックさんになりたい」と書いていたんですが、小学校の卒業アルバムには「F1レーサー」と書いていましたね。当時から、何かに夢中になったらとことんのめり込むタイプだったと思います。

それから、小学2年生の時に空手を始めて、高校までずっと続けていました。高校では極真空手をやっていて、練習もかなり本格的に取り組んでいたのですが、この時に、「礼儀」「努力」「継続」を自然と学べたことは今の自分の基礎になっていると感じます。

経営者を志したのは新卒で就職活動を始めた頃からでしたが、実家が内装工事業を営んでいて、父が社長を務める家族経営の会社だったこともあり、物心ついた頃から生活のすぐそばに父親の仕事があったんですよね。

小学生の頃から、土曜日になると労働に駆り出されて雑巾を絞ったり水を替えたりと、ちょっとした手伝いをしていました。今振り返るとこのような経験を通して自然と働くことの大変さや責任感、やりがいなどを感じ取っていたんだと思います。

そういう意味では、父の背中を見て育ったことが、今の自分の仕事観や経営者としての価値観に少なからず影響を与えていると考えています。

今も昔も「自分でやるしかない」は変わらない

── 過去と現在でキャリア観にどんな違いを感じますか?

もちろん、社会人を経験する中で考え方は変化しましたが、根本的なキャリア観は変わっていません。

大学では機械工学を専攻していたのもあり、就職氷河期の中でも学校推薦枠を使えば大手メーカーにも比較的スムーズに入れる環境でした。ただ、私はその道をあえて選ばずに自主応募で社員数400名ほどの老舗メーカーに就職しました。

やはり、大企業ではどれだけ頑張ってもすぐには出世できませんし、評価にはどうしても“運”の要素があります。でも中小企業なら、実力と結果次第で早く評価されるし、経営にも近い立場で学べるんじゃないかと思ったんです。

しかし、キャリアを積んでいくと、仮にメーカーで役員になれたとしても、どこか自分の理想と違うなと感じるようになりました。そこで一度、大企業にも転職してみたんですが、やはり肌に合わなかったんですね。

中小企業でも大企業でもないと思ったときに、「もう自分でやるしかない」という結論に至り、それが起業の原体験になっています。結果的に振り返ると、あの時の選択や迷いも、全て今につながっていると感じますし、「自分の力で組織をつくりたい」という根っこの部分はずっと変わっていないと思いますね。

「安定」と「挑戦」の両方を経験できる成長企業で働く

── 自分が今、仮に学生だったとしたらどんな働き方を選びますか?

“ベンチャーすぎる会社”には行かないと思います。立ち上げ直後のベンチャーのよさもありますが、キャリアの観点でいうとそうした環境はリスクも大きく、学べる範囲も限定的になりやすいので、あえてそこは選ばないと思います。また、組織が大きすぎて、個人の裁量やスピード感が出しにくい大企業にも行かないでしょう。

もちろん、まずは大企業に入って数年間経験を積んでからベンチャーに転じるというキャリアもありだと思います。

しかし、私が新卒だったら一定の規模と実績を持ち、これからさらに伸びていく成長企業を選ぶと思います。そういう会社であれば、「安定」と「挑戦」の両方を経験しながら、自分の市場価値を確実に高めていけるからです。

ビジネスパーソンとして成長するうえで大事なのは2つあると思っています。1つ目は「若いうちから実務経験を積めるかどうか」で、これはベンチャーや成長企業でないと難しいものです。もう1つは「社会人としての基本的なビジネスマナーや常識をしっかり学べる環境があるかどうか」です。この2つを同時に経験できる会社が、間違いなく一番いいと思います。

<構成/古田島大介 撮影/岡戸雅樹>


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