「大人は楽しい」ベテラン俳優と上場企業経営者が紡ぐ“人生を豊かにするヒント”
「ESG&well-being」連載第4回となる今回は、前回に引き続き『第4回 BEST SDGs AWARD for University Powered by SENSE TRUST』の模様をお届けします。
今回は、特別審査員を務めた俳優の南果歩さんと、本アワードのタイトルスポンサーであるセンス・トラスト株式会社 代表取締役社長 今中康仁さんによる対談を詳報。
2025年12月に上場を果たし、「唯一無二の、感動を。」をミッションに不動産業界で躍進する今中氏と、芸歴40年を超え、表現者として社会貢献活動にも注力する南さん。異色の顔合わせとなったお二人が、自身の原点や「失敗」との向き合い方、そして未来を担う学生たちへ贈る「大人は楽しい」という力強いメッセージとは。
エンターテインメントとビジネス、それぞれの最前線で価値を創造し続けるお二人の言葉から、人生を豊かにするヒントを探ります。
チャンスを掴み感動を届ける、表現者と経営者の「原点」
橘ケンチさんと学生たちによるトークショーに続き、特別審査員の南果歩さんと、センス・トラスト株式会社の今中康仁代表によるトークショーが行われました。

の菅野実行委員長
MCは同アワード実行委員長の菅野充氏が務め、対談はリラックスした雰囲気の中でスタート。まず話題に上がったのは、お二人のこれまでのキャリアの歩みについてです。

200人以上の女性を演じてきた南さんは、その原点を「大学2年生の時に出会った新聞の主役公募記事」だと振り返ります。オーディションで見事チャンスを掴み、1年間の休学を経て映画の世界へ没頭した経験を挙げ、「チャンスを活かすことは人生で最も大事。自分を感動させる仕事をしたいという想いが活動の核にある」と語りました。

一方、今中氏は自身の経歴について、18歳の時にプロ野球選手になる夢を断念した経験を明かしました。その際、それ以上の夢を持とうと「社長になる」ことを決意し、不動産業界に身を置くことになります。
27歳で創業した後は、不眠不休で仕事に邁進。2025年12月の上場を目標として公言し、社員と共に楽しみながら事業を推進してきました。日々の壁を成長の好機と捉え、「よっしゃきた!」と前向きに立ち向かう姿勢が、現在の成長に繋がっていると語りました。
立場は違えど、目の前のチャンスを確実に掴み、自らを鼓舞しながら道を切り拓いてきたお二人の姿勢に、会場の学生たちは真剣な眼差しを向けていました。
「持続的に楽しく」社会を良くする
続いて、話題はそれぞれのSDGsに対する考え方や具体的な活動へと移りました。
今中氏は、自社において「持続的に楽しく働こう」という考え方を大切にしています。
社員が楽しく働く循環こそが世の中を良くすると考え、毎年「センス・トラストデー」として野球などのイベントを開催。「どのように感動を生み出せるか」を試験的に取り組んでいる現状を語りました。

これに対し、南さんは「歩くSDGs」と称されるほど、日常の中に活動を浸透させています。
具体的には「なるべくゴミを出さないこと」「分別の鬼」と自認するほどの徹底した分別、さらには使わなくなった食器や人形を家の前に出し、「必要な方はどうぞ」という張り紙をして近所の方に譲るなど、物を捨てない工夫を日頃から実践しています。
MCから、絵本の読み聞かせや被災地でのボランティアといった多岐にわたる活動について触れられると、南さんは東日本大震災の際に直面した葛藤を明かしました。
当時は「俳優業は世の中の役に立たないのではないか」と仕事への情熱を一時失うほどの衝撃を受けたといいます。しかし、自ら22箇所の避難所を回り被災者の方々と対話する中で、「ドラマに出て」という声を多くかけられたことで、自らの仕事が困難な状況にある方にとっても必要なものであると確信し、勇気を得たと振り返りました。
失敗は経験すればするほど、未来の自分の成功につながる

対談の終盤、MCから2月に出版されたエッセイ『還暦スマイル』について問われると、南さんは自身の経験を紐解きながら、会場の学生たちへ語りかけました。
還暦を「あっという間に訪れるもの」と表現する南さんは、「今やりたいことを存分にやって、笑顔で還暦を迎えられるような人生にしてほしい」と提言。
同著には自身の50代での失敗談が多く綴られており、「失敗したり、傷ついた経験が自分を強くしてくれた。失敗を恐れずにやり続けることで、自分の人生を豊かにできる」と、実体験に基づいた前向きなメッセージを伝えました。
続いて今中氏も、自身の経験を踏まえた考えと共に、学生へのエールを送りました。
「失敗は経験すればするほど、未来の自分の成功につながります。失敗や涙の数だけ人の気持ちが分かるようになる。どんどんチャレンジして、未来を明るくしてほしい。大人は本当に楽しいので、これからも日本を支えていってもらえたら」と語りました。
今中氏の「大人は楽しい」という言葉に、南さんも笑顔で共鳴します。「本当に大人になるのって楽しいんですよ。10代より20代、20代より30代、40代、50代になると、もっと楽しくなります」。学生時代が最高だと思わずに、これから歩んでいく時間や経験のすべてを楽しみ尽くしてほしいと、対談を締めくくりました。
失敗を恐れぬ挑戦の先に。未来を照らす「大人の背中」
トークショーを通して貫かれていたのは、失敗を恐れずに挑戦することの尊さと、人生を能動的に楽しむ姿勢でした。
壁を成長の機会と捉える前向きさと、「大人は楽しい」という力強い言葉は、これから社会へ踏み出す学生たちにとって、不安を希望に変える大きなエールとなったはずです。
「持続可能な社会」を創るのは、知識だけでなく、自らを感動させ、周囲を楽しませようとする個人の情熱。南さんと今中氏が示したその真摯な背中は、次世代のリーダーたちにとって、自らの人生を切り拓き、未来を照らすための確かな指針となりました。
Future Leaders Hub 編集部