「行動力こそが最強の武器」AI時代に最速でチャンスをつかむための生存戦略
AIの発展により、誰でも「正解」に辿り着ける時代になった。だからこそ、知識ではなく“やりきる力”が重要になる。AIは若者にとって最大のチャンスであり、「行動力こそが最強の武器になる」と語るのは、株式会社TWOSTONE&Sons 代表取締役CEOの河端保志氏だ。
変化の激しい時代を生き抜くために本質的なことは何か。本稿では、河端氏が考えるAI時代をサバイブする生存戦略について話を聞いた。
幼少期に磨いた「周囲を説得する力」

── 幼少期に没頭した趣味などはありますか?
幼少期は、本当にどこにでもいる普通の子どもでした。公立の小学校に通って、毎日公園で友達と鬼ごっこをしたり、放課後にみんなで遊んだりしていました。今、自己分析して思うのは、人より少しだけ能動的だったなと感じます。
例えば、クラスの友人と「今日はこういう遊びをしよう」と積極的に提案するタイプでした。小学校の休み時間に、誰よりも早くボールを確保して、「ドッジボールをやるか、それともサッカーをやるか」といったように仕切っていましたね。もちろん全員が同じ遊びをやりたいわけじゃないので、「今日はなんでドッジボールなのか」を必死に説明して、説得するようにしていたんです。
最初から説明が得意だったわけではありませんが、何度も回数を重ねるとうまくなっていくので、次第に周りを巻き込みながら自分のやりたい遊びに没頭できるようになったんです。そう考えると、その延長線上に今の経営価値観と重なる部分がある気がしますね。
── 河端さんがエンジニアに興味を持った背景を教えてください。
僕がエンジニアを目指したのは、実は明確な意志があったわけではありません。最初のきっかけは、家にあった一台のパソコンでした。小中学校時代は遊戯王のトレーディングカードが好きだったので、インターネットでレアカードの情報を調べたり、画像を見て楽しんだりしていたんですよ。
そこから自然とインターネットの世界にのめり込んでいった延長線上で、エンジニアリングにも興味を持ちました。自分でWebサービスを立ち上げたりしていましたね。
AIが発展しても根本的な欲求は変わらない

── AIの登場によって働き方や業界構造に変化は生じたと考えますか?
「やりきれる人」と「途中でやめてしまう人」では圧倒的に差がつくという変化を感じます。これからAIがさらに発展しても、既存の業界そのものが消えるとは思っていません。例えば、MDウォークマン(1990年代から2000年代にかけて普及した小型録音・再生対応のミニディスクプレーヤー)がなくなっても、“音楽を聴く”という需要そのものは変わらない。プロダクトやツール、提供の仕方だけが変わっただけで、人間の持つ根本的な欲求は変わっていないわけです。
これはどの業界も同じで、ニーズは残り続けて、形や手段が進化していくだけだと思っています。だからこそ、業界選びは無理にトレンドを追う必要はなくて、自分の好きなことに少しでも関係する業界を選んでいいと思います。
また、若い人たちから「AI時代はもう自分たちにチャンスがないのでは?」と聞かれるのですが、僕はその逆だと思っていて、むしろ若者にとっては最大のチャンスです。
── それはどういった理由からでしょうか?
例えば今50代の人がこれから本気でAIを使いこなすのは正直ハードルが高いですが、若い世代は柔軟で吸収が早く、すぐにキャッチアップできます。スマートフォンが出てきたときも、一番うまく使いこなしていたのは若者でしたよね。新しい技術で、しかも実需のあるものが出てきたときは、素直に飛び込める若い世代のほうが圧倒的に有利なわけです。
つまり、新しいテクノロジーが出た瞬間こそ、若者が主役になれる時代だと言えます。大人が「よくわからない」と距離を取っている間に、素直に触ってみて、試行錯誤できる人こそチャンスを掴めるでしょう。なので、AI時代は行動力こそが、これからのキャリアを左右する最強の武器になるのではと考えています。
誰でも情報が手に入るからこそ「行動力」が鍵を握る
── AI時代において重宝される人、また河端さんが一緒に働きたい・成長したいと感じるのはどんな特徴のある人ですか?
最近、社内でも繰り返し伝えているのは、「今の時代、合理的な戦略やノウハウは誰でも手に入る」ということです。例えば昔なら、“東大合格メソッド”のようなノウハウは、特定の塾やコミュニティが独占していましたが、今は生成AIによる情報革命のおかげで、田舎にいても同じ情報を手に入れることができる。
ただ、情報を知っているだけでは意味がなくて、それを「やりきれるかどうか」が大きな差になります。つまり、これからの時代に求められるのは「やりきる力を持った人」で、知識や効率的な方法よりも実行力が重要になるのではないでしょうか。
そしてもう一つ重要なのが、AIを使いこなす力です。
生成AIの登場は、パソコンが社会に普及し始めた時代と同じくらいのインパクトがあります。その時も、パソコンを使いこなせるかどうかで大きな差がつきましたが、同じように「AIを自在に扱える人」と「扱えない人」のキャリアの差が一気に広がっていくでしょう。
そのため、AIツールを積極的に活用し、自分の力を何倍にも伸ばせる人間になることが、AI時代を生き抜くうえで大切だと思いますし、私自身もそういう方と切磋琢磨していきたいですね。
── 「20代のうちにこれだけはやっておくべき」ことは何かありますか?
人間にとって最大のリスクは、極端に言えば「ご飯が食べられなくなる」ことでしょう。しかし現代の日本では、よほど特殊な環境で働かない限り、生命活動が維持できなくなることなんてほとんどないわけです。だからこそ、いろんなことにチャレンジするべきで、リスクを恐れずに本気でやりきること自体に価値があるんですよ。
別に資本主義の社会で結果を出す必要はなくて、無人島で生活してみるとか、スポーツに打ち込むとか、何かに本気で取り組む経験そのものが人生の大きな糧になります。ビジネスの世界は、そういう挑戦や経験が非常にわかりやすく可視化される場だと考えています。
「完璧」よりも、まずは「やりきる経験」を積む

── 「やりたいことが見つからない」という若者にはどのようにアドバイスしますか?
オリンピック選手やプロ野球選手の友人がいるのですが、彼らと話すと「小さい頃からずっと同じ競技しかやってこなかったので、他の選択肢がなかった」という理由でその道に進んでいる人も意外と多いんですよ。外から見るとずっと一つの夢を追い続け、キラキラした世界にいるように見える人たちでも、実はそういった事実があるんですね。
本当に小さい頃から明確な夢を持っている人なんて、おそらく1万人に1人もいないと思います。大半の人は、やりたいことを探しながら生きていくもので、それで全然いい。大事なのは、目の前の出来事を途中で投げ出さず、最後までやりきることです。どんな分野でも、自分の中で納得できるところまで突き詰めてみないと、見えてこないものがたくさんあります。
最初から完璧な夢を見つけようと焦るよりも、まずは少し興味があることから一歩を踏み出し、それをやりきる経験を積むことが重要なのではないでしょうか。
<構成/古田島大介 撮影/星 亘>
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Future Leaders Hub 編集部