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2026.02.13 15:00

「将来的には社員全員を社長にしたい」教育一家の血を引く起業家が目指す“新時代の働き方”


「元自衛官が教える光線銃サバゲー研修」「お笑い芸人が講師のコミュニケーション研修」

 ユニークな研修事業で注目を集める株式会社アントレ・ラボコーポレーション。しかし、その組織形態はさらにユニークです。代表取締役の仲津定宏氏は「社員は私1人なんです」と明かします。

 なぜたった1人でこれほど多彩な事業を展開できるのか。その根底にある「一人ひとりが能力を発揮できる場を提供したい」という思いと、これからの時代の働き方について伺いました。

社員は1人。各分野のプロとチームを組む事業スタイル

 株式会社アントレ・ラボコーポレーションは主に3つの事業を展開しています。一つは、他にはないユニークな内容が特徴の教育・研修事業。そして、ウェブ広告事業と、企業向けのイベント事業です。

 驚くべきは、これらの事業を社員1人で運営しているという事実。

「社員は私一人ですが、事業ごとにプロフェッショナルを集め、プロチームを編成して事業を回す体制を取っています」と仲津氏は説明します。

 個人の持つスキルや経験をコンテンツに変え、企業の課題解決や人材育成をサポートする。まさに個の力を最大限に活かす新しい組織の形です。

 同社の理念は「個の輝ける社会を創造する」こと。

「一人ひとりが能力を発揮できる場をちょっと提供していきたいなというのは、元々の理念であります」と仲津氏は語ります。

 研修事業では、個人が持つスキルや経験、知見をコンテンツ化し、対面研修やEラーニング、さらにはオーディオラーニングといった形で企業に提供しています。

 それはほかの事業でも変わりません。各分野の専門家が、副業や個人事業主としてプロジェクトに参加し、その能力を社会に還元していく。中には、仕事が増えて株式会社化した人もいるといいます。

「自分が持っているスキルを、私たちのニーズに合わせて提供していただくことで、自身の能力を社会に還元していく。そうした取り組みを、これからもどんどん生み出していきたいという思いで活動しています」

原点は教育一家の血筋と20年続けた勉強会

 仲津氏が教育の分野に情熱を注ぐ背景には、そのルーツがありました。

 祖父は小学校の校長を務め、さらに大手予備校「四谷学院」の創業メンバーの1人だったといいます。父親も教育関係の仕事をしており、自然と「人の教育に関わることをやりたいな」という思いを抱くようになりました。

 その思いを形にするきっかけとなったのが、20年ほど続けてきた「アントレラボ」という勉強会です。

 さまざまな経営者や専門家の話を聞く中で、これを会社化しようと設立したのが、株式会社アントレ・ラボコーポレーションでした。ただ、普通の研修をやっても面白くない。

「面白い研修ないかな」という探求心から生まれたのが、サバイバルゲームを取り入れた研修や、モンゴルの移動式住居「ゲル」を組み立てながらチームビルディングを行う研修、さらには「ダジャレコミュニケーションできないか」というユニークな発想の研修でした。

 講師陣も元刑事、伝説のギャンブラー、アナウンサー、現役大学生など多士済々。あらゆるネットワークを駆使し、面白い人やコンテンツを探し続けています。

「サバゲー研修」が新入生の絆を育む

 中でも、元自衛官が講師を務める「光線銃を使ったサバゲー研修」は、千葉工業大学で毎年、新入生向けに導入されています。コロナ禍を経て、コミュニケーションに苦手意識を持つ若者が増えていると言われる昨今。

 初めて顔を合わせる新入生たちが10人から15人のチームを組み、対戦するうちに「こうしよう、ああしよう」と自然に会話が生まれ、いつの間にか一つのチームになっているといいます。

「その延長線上で関係性が築かれていくので、2年生や3年生になっても繋がりが続いている、という声をよく聞きます。そこで関係性ができるからこそ、学生生活でも最初から友達ができるという点を気に入っていただいていますね」

 ゲームという非日常体験が、学生たちの間にかけがえのない絆を育んでいるのです。

「楽しいことを形にする」のが企画力の源泉

 仲津氏の企画力の源泉は、20代の経験にあります。

 大学時代には、学生が主催するビジネスコンテストを企画。ただコンテストを開催するだけでは物足りないと考え、インプットのための大規模セミナーから、出口となるインターンシップまでを一気通貫で設計しました。

 金融業界にターゲットを絞り、学生ながらに何十社もの企業を回って協賛金を集めたといいます。

「学生という立場だからこそ、アポイントも取りやすく、企業側からも費用を出してもらいやすい、という側面がありますよね」

 企画力を身につける秘訣を尋ねると、仲津氏はこう答えます。

「やはり、自分が楽しいと感じることを形にしていくことを追求していくのが、一番いいのではないかと思います」

諦めかけた先に見える景色が仕事の醍醐味

 仕事が本当に楽しいと思えたのは、どんな瞬間だったのでしょうか。

「自分で考えて主体的に取り組む仕事ができたときは、やはり面白いと感じますね。うまくいかず、『もうやめてしまおうかな』と思いかける手前で踏ん張り、それが結果的にうまくいった瞬間はたまらないです。諦めかけたところで『もう少しだけ踏ん張ってみよう』と思って行動したときに、道が開ける。その瞬間が、いちばん楽しいのだと思います」

 その「もう1歩」が、誰も見たことのない景色を見せてくれるのです。

 もし今、学生に戻るなら何をするかという問いに、仲津氏は迷いなく「間違いなくまた起業するでしょうね」と答えました。

「うちの会社、将来的には社員全員を社長にしたいと思っているんですよ。これからは、本当に自立の時代だと思います。自分自身が、ちゃんと頼れるスキルや存在でいなければならない。それが個人を強くし、日本の企業を強くし、結果として国を強くしていくことに繋がっていくのかなと感じています」

最後に、これから社会に出るZ世代の読者へメッセージをいただきました。

「やはり、自分が今やりたいことを起業という形で実現できているのは、とても楽しいですし、疲れないんですよね。『生きているな』という実感がある。そして、働く皆さんにも、同じように『生きているな』と感じながら働いてほしいと思っています」


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