「挑戦しても死にはしない」借金地獄からスタートした20歳起業家が再定義する「働く」の意味
現代を牽引するZ世代は、働くことに何を求め、どのように向き合っているのか。このリレーコラム【Z FACE】では、今注目すべきZ世代自身が「働く」をテーマに自身の考えを展開します。彼らのリアルな声から、多様な価値観が交錯する現代における「働く」の本質を読み解くヒントを見つけ出します。
「働く」をテーマにしたコラムの初回は、GOAT株式会社 代表取締役 谷手 琉加さん。18歳でビジネスの世界へ飛び込み、営業で歴代最高記録を樹立。その後、Z世代マーケティングなどを展開するGOATを立ち上げました。「挑戦する力、支える力を」をミッションに掲げ、成長を追求する谷手さんが語る「働く」の価値観とは。
こんにちは。 GOAT株式会社 代表取締役の谷手 琉加(タニ テルカ)です。
当社はPR会社として、「Z世代のパシリ」というキャッチコピーのとおり、若者を中心に中小企業様の採用・集客課題を解決しています。現在はPR事業(メディア運営・SNS運用代行など)、広告代理業、マーケティング事業、学生取材事業を主軸に展開しております。
私は20歳で起業し、創業から4期目を終えて5期目に入った今、このようなコラム執筆の機会をいただき、大変光栄に思います。
働くということとは?
まずは辞書と話題のChatGPTに「働く」の定義を尋ねてみました。
- 辞書:生計を立てるために職業や事業に従事すること、すなわち労働。
- AI(ChatGPT):価値を創造し、社会とつながり、自己を成長させ、人生の意味を紡ぐ行為。
時代背景や社会システムによって「働く」の意味は変化しますが、私は後者の定義がしっくりきます。起業5年目の今、かつての「生活のための労働」という感覚は薄れ、働くことは自分の理想を実現するための手段へと変わりました。
私が働く理由
率直に言えば、私にとってお金を稼ぐこと自体は目的ではありません。過去に大人に騙された辛い経験が、私の中に「どうしても実現したい世界観」を芽生えさせ、その旗振り役として働く覚悟に繋がりました。
創業当初、私は情報リテラシーの不足から欺かれ、多額の負債を抱えた状態で出発しました。生き抜くためにも就職という選択肢は取れず、自身で環境をつくれる経営者の道を選択しました。とはいえ、就職経験すらない大学生。今思えば、起業は博打のような賭けでした。
右も左もわからない中でも、最初の2年間は無給で、従業員・クライアント・ステークホルダー、さらには社会のための価値創造に日々没頭しました。それでも「働いている」という実感は誰よりも感じていました。
その積み重ねが、仲間を呼び、協力者を呼び、結果としてお客様を呼び込みました。

おかげさまで現在では様々な事業展開へ挑戦できるようになっています。
私にとっての「働く」の定義
私にとって働くとは、関わるステークホルダーの課題を解決し、笑顔を生み出す行為です。
- 提供した価値に対する対価としてお金をいただく
- その利益で従業員に給与を支払い、さらに笑顔を広げる
- 志を持った従業員が自己成長し、社内外でさらなる価値を生む
- その循環が評価され、サービスの継続や紹介につながる
こうして「信用通貨」としてのお金が後から付いてくる――この価値創造の循環そのものが楽しく、私は働いている感覚を忘れるほど没頭しています。逆に言えば、この価値観を持たずにただ時間を費やすだけでは、真に「働いている」とは言えないと考えています。
価値を追い求める働き方へ
混迷する日本経済の中で、特に若者が将来に不安を抱くのは当然です。しかしだからこそ、働くことの定義を「価値を追い求める行為」へと再定義したいと強く思います。
- 生活費を稼ぐためだけに働く
- 漠然と日々を過ごす
そうした選択肢しか見えない世の中を変えたいのです。子どもの頃に抱いたワクワクする夢や未来を、もう一度思い出してほしいと思います。
行動する勇気を
やりたいことがあるなら、どんな壁があっても挑戦すべきです。時間は有限で、挑戦を先延ばしにすると心も体も老いてしまいます。私自身、借金を抱え“地獄”のような状況からスタートしましたが、挑戦しても死にはしませんでした。もし当時、心の声を無視していたら――と想像すると、今でも背筋が凍ります。
技術やスキルの差が壁になりにくい時代になりました。AIを使えば一定のクオリティが担保でき、できないことは仲間と協力すればいい。SNSを通じて世界中の誰とでもつながれる時代です。
人間の能力差など、思うほど大きくありません。ウサイン・ボルトは100mを9秒58で走りますが、私は14秒。それでも差は5秒しかありません。本気で速く走りたいなら原付に乗ればいい――そんな選択肢が現代には無数に転がっています。
想いを形にできる社会へ
大切なのは会社に属するかどうかではなく、「何かを生み出したい」という決意と想いです。それが自己中心的なものであっても、結果として誰も泣かせず誰かを笑顔にできれば良いのです。
挑戦できる若者を増やす環境やサービスを創り、日本に笑顔を増やす――それが私の“働く”目的です。これからの日本を担う若者たちと共に、より良い未来を築けることを心から願っています。

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Future Leaders Hub編集部 