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2026.01.08 17:00

「生意気だ」と言われた“学歴ゼロ”の若者が21歳で独立。創業から会社売却、上場に再挑戦するまで


「やり残したことがないまま死んでいきたい」

そう力強く語るのは、株式会社BRICK代表取締役の中村隆介氏。高校に通うことなく、建設現場で働き始め、21歳で起業しました。

学歴はない。しかし、そのハンデをものともせず、飲食業で事業を拡大し、ファンドへの売却も経験。そして今、次なる挑戦として再び会社を立ち上げ、IPO(株式上場)を目指しています。

中村氏の原動力はどこにあるのでしょうか。その異色の経歴の裏にある、仕事への圧倒的な「熱量」と挑戦を続ける生き様に迫ります。


会社の利益につながる提案も受け入れてもらえない日々

中村氏の社会人としてのキャリアは10代中盤にまで遡ります。

「中学生の頃からずっと働くことを意識していて、高校も行ってないんです」

建設業の現場仕事から、その長い社会人歴はスタートしました。そして、21歳の若さで個人事業主として独立。その背景には、当時の業界特有の空気への反発がありました。

「建設業って、昔は本当に年功序列が全てみたいな感じだったんです。現場が一番うまく回ることだけを考え、会社の利益につながる提案をしても、なかなか受け入れてもらえない。年長者からは『生意気だ』という目で見られるという毎日でした」

何度もぶつかる中で、「それなら自分でやってしまえ」と勢いで起業を決意したといいます。長く働いてきたからこそ見えた業界の課題と、自身の経験。それが若き日の中村氏を起業へと突き動かしたのです。

自分に求められるものが大きくなってくるのが楽しかった20代

「20代はまさに仕事一色の毎日です。1日半働いて、半日帰って寝るみたいな生活をずっと続けていました」

個人事業主としてスタートしたときから、中学時代の後輩が「まるで弟みたいに」ついてきてくれたといいます。社員もいる。自分だけの人生ではない。その責任感が中村氏をがむしゃらに仕事へと向かわせました。

「大変ではありましたが『しんどい』『無理だ』と感じたことはなかったですね。会社が大きくなるにつれて自分に求められるスキルや知識が大きくなってくる。学歴はないですが、ずっと会社に成長をさせてもらっていたなっていう感じです」

会社が成長すれば、社長である中村氏にも新たな課題が突きつけられるが、ひとつひとつ乗り越える過程が楽しかったと振り返ります。

「どんどん知識やスキルが身についていく感覚が、何よりも楽しかった。僕自身が一番、会社に感謝している状態だったんです」

「自分が携わった高層ビル。その一人にお前も入っているんだぞ」

そもそも中村氏が仕事の楽しさに目覚めたのは、いつだったのでしょうか。「10代の頃は、正直仕事が楽しいと思ったことはなかった」と振り返ります。

「記憶に残っているのは大型ビルのサッシを取り付ける仕事を終えてから、半年ほど経った夜、当時の先輩が車で迎えに来てくれたんです。完成したビルの前で車を停めて『このビルを作ったのも、お前もその一人なんだよ』って言ってくれた経験は今にもつながっています」

それまでは、現場が終わればそれで終わり。自分が関わった仕事の成果を意識することはありませんでした。しかし、その一言で、自分が巨大な高層ビルを創り上げた一員なのだと実感できたとのこと。

「物作りの楽しさを教えてもらった。それが建設業を好きになって、起業するきっかけにもなっているかもしれないです」

「やりたいか、やりたくないか」で決める

数々の事業を手がけ、会社を成長させてきた中村氏。その過程では、幾度となく大きな選択を迫られてきました。新たなステップに進むのか、現状を維持するのか。その判断基準は、驚くほどシンプルでした。

「一番は、やりたいかやりたくないか。自分の直感でしかないかなって考えています。『あのときやっときゃよかったな』とか、たらればの話はしたくない。どうかっこよく生きるか、みたいなのが大事だと思うんです」

やらない後悔より、やってみる。命を取られるわけじゃない。その潔い信念が、彼を常に前へと進ませてきました。そんな中村氏に、もし「やりたいことがわからない」と悩む若者がいたら、どんなアドバイスをするか尋ねてみました。

「夢とかやりたいことって、変わっていいと思うんですよね」

スポーツを始めたら最後までやりきりなさい、と言われがちな日本の風潮。しかし、途中で違うことに興味が湧くのは自然なことだと中村氏は語ります。

「自分の人生は1回なんで、いろんなことをやってみて、自分が何に対して熱量を出せるのか、自分探しをすることは大事なんじゃないかなと思います」

「誰も負けないような熱量を持って。そこは大事かなと思ってます」

現在、中村氏は2024年に設立した新会社で、再び大きな目標を掲げています。それは、かつて一度は道半ばで諦めた「上場」への再挑戦です。

「自分だけ夢を途中でやめたことに、どうしてもモヤモヤするものがあった。もう一回人生でチャレンジしたいなとずっと考えています」

その挑戦を共にするのは、どんな若者であってほしいか。求めるのは、学歴やスキルよりも「向上心」や「熱量」。そして、何よりも「明るい子」と一緒に働きたいと強調します。

「仕事が終わって会社の愚痴をこぼしながら飲むより、すごくポジティブな話をしながら仲間とご飯食べるような子のほうがいい。仕事においても、仕事以外の時間においても、前向きなエネルギーを共有できる仲間。そんな仲間とともに、誰も成し遂げたことのないような未来を創り上げていきたいですね」


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