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2026.03.25 17:26

「判断疲れ」から経営者を救うAI…Z世代経営者の“構造で戦う”という戦略


現代を牽引するZ世代は、働くことに何を求め、どのように向き合っているのか。このリレーコラム【Z FACE】では、今注目すべきZ世代自身が「働く」をテーマに自身の考えを展開します。彼らのリアルな声から、多様な価値観が交錯する現代における「働く」の本質を読み解くヒントを見つけ出します

「働く」をテーマにしたコラムの第8回目は合同会社DuoBull代表の松浦郁逸さん。ITと現場という異なる領域で事業を展開し、「働くとは責任を引き受けること」と語ります。AIによる仕組み化と現場での実践、その両軸から見えてきた現代の働き方と、変化の時代に価値を生み出し続けるための視点や考え方に迫ります。

みなさん、はじめまして。合同会社DuoBull(デュオブル)代表の松浦郁逸と申します。

この度は貴重な機会をいただき感謝しております。

私は現在、IT事業と現場系事業の二つの領域で仕事をしています。AIを活用したシステム開発を進める一方で、実際に現場に立ち、人の手で課題を解決する仕事にも関わっています。

デジタルとリアル。一見するとまったく違う世界ですが、どちらも社会の課題を解決するための仕事です。

ITの分野では、AIを活用した仕組みを開発しています。単なる業務効率化ではなく、経営判断や営業活動まで支援できるAIです。

重要な意思決定に十分な時間を使えない現実

起業してから多くの経営者と話す中で感じたのは、多くの社長が「判断疲れ」をしているということでした。

本来、経営に集中すべき人が、営業や業務に追われ続けている。結果として重要な意思決定に十分な時間を使えない。そこでAIを活用して商談設計や意思決定の一貫性を自動化できないかと考えました。

人の経験や勘に頼るのではなく、再現性のある構造を作る。それが今取り組んでいるIT事業です。

一方で、現場系事業を始めたのは別の理由がありました。AIが急速に進化する時代ですが、社会を支えている多くの仕事は依然として人の力によって成り立っています。

しかし、こうした現場の仕事は人手不足が深刻になりつつあります。そこで現場でも雇用を生み出し、微力ながらその課題を解決できないかと考えました。

現在は不動産会社向け再販サポート事業(主に残置物撤去)と法人向け空調清掃・施工管理事業を行なっております。

やりたいことを続けるための責任

起業してまだ1年目ですが、この一年は想像以上に多くの壁にぶつかりました。事業が思うように進まないこと、資金や時間の制約、そして何よりも「決断をする責任」が常に自分にあるという現実です。

会社員の頃は、ある程度決められた枠組みの中で仕事をしていました。しかし起業すると、良い結果も悪い結果もすべて自分の判断の結果として返ってきます。

逃げ場はありません。その経験を通して、私にとって「働く」とは、単にお金を得る手段ではなく、「責任を引き受けること」だと考えるようになりました。

社会の中で起きている問題に対して、自分がやると手を挙げること。そして、その結果に対して言い訳をせず、改善し続けること。それが働くということなのだと思います。

Z世代と呼ばれる私たちは、「好きなことを仕事にする」「自分らしく働く」という言葉をよく耳にします。

もちろんそれ自体は素晴らしい考え方です。

ただ一つ大切だと思うのは、やりたいことを続けるためには、やりたくないことも続ける必要があるということです。

どんな仕事にも地味な作業があります。すぐに結果が出ない努力もあります。しかし、その積み重ねの先にしか本当にやりたい仕事は存在しません。

また、物事の捉え方一つで同じ出来事でも意味は大きく変わります。大変な仕事を「やらされている」と感じるのか、それとも「自分を成長させる機会」と捉えるのか。その違いはとても大きいものです。

気合や根性ではなく「構造」で戦う

これからの社会は、AIの進化によってさらに大きく変わっていきます。不可能だったことが次々と可能になる時代です。だからこそ重要になるのは、「何をするか」よりも「どんな姿勢で働くか」だと思います。

環境や時代が変わっても、自分で考え、責任を引き受け、行動し続ける人はどこでも価値を生み出すことができます。

思想やアイデアを形にすることがこれほど簡単になった時代だからこそ、自分が何を大切にしたいのかという軸を持つことが重要になります。

迷ったときに、どの方向に進むのか。その判断基準になるのが自分の軸です。

環境や時代が変わっても、自分で考え、責任を引き受け、行動し続ける人はどこでも価値を生み出すことができます。

私は仕事をするうえで「構造で戦う」という考え方を大切にしています。現場の仕事をしながらテレアポや訪問営業を行い、さらにAI開発も進める。これを気合いや根性だけで続けるのは限界があります。

しかし、業務を構造化し、仕組みとして整理することで、最小限の力でも組織を動かすことができるようになります。

個人の能力に頼るのではなく、仕組みで成果を出す。それがこれからの時代の働き方の一つだと思います。働くということは、自分の人生を自分で引き受けるということでもあります。

私自身まだ挑戦の途中ですが、責任から逃げず、自分なりの働き方を模索し続けたいと思っています。そして、同じ時代を生きる皆さんと、それぞれの場所で価値を生み出していけたら嬉しく思います。

この記事を書いた人
松浦 郁逸
合同会社DuoBull 代表社員
1999年生まれ、埼玉県出身。 不動産会社で現場と営業を経験し、属人化による非効率と再現性のなさに課題を感じる。 「人に依存しない仕組みで成果を出す」ことを軸に独立。 現在は営業や経営判断を構造化するAIシステム開発に取り組む。 また現場領域にも参入し、テクノロジーとリアルの両面から社会課題の解決を目指している。

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