「本気を出すのはまだ先」無職から月収100万円営業マンへ…Z世代起業家の“誰かの人生を背負う覚悟”
現代を牽引するZ世代は、働くことに何を求め、どのように向き合っているのか。このリレーコラム【Z FACE】では、今注目すべきZ世代自身が「働く」をテーマに自身の考えを展開します。彼らのリアルな声から、多様な価値観が交錯する現代における「働く」の本質を読み解くヒントを見つけ出します。
「働く」をテーマにしたコラムの第5回目は、株式会社Stok 代表取締役の下川巧記さん。調理師から無職、そして月収100万円の営業マンへ。「本気を出すのはまだ先」と思っていた青年が、“誰かの人生を背負う”覚悟を持った瞬間、人生は大きく動き出しました。利他の心が導いた起業の原点と、Z世代に届けたい「今、この瞬間から変われる」というメッセージ。その挑戦の軌跡を紐解きます。
「本気を出すのはまだ先」と思っていた無職時代
「このままでも生きてはいける。でも、本気を出すのはまだその時じゃない」、そんなふうに思っていた時期が、私にはありました。
1999年生まれ、福岡県那珂川市出身です。公務員の父とパート勤務の母のもと、4人家族の長男として育ちました。学生時代はテニスに打ち込み、県大会5位まで進みました。調理の専門学校を卒業後、蕎麦屋へ就職しましたが、「見習いは厨房に入らない」という会社の考え方に納得できず、1か月で退社しました。そこから半年間、無職の期間が始まります。
正直、自分は人より何をやってもそれなりにできると思っていました。やらないといけない状況になればやれる。だから今はまだ本気を出すタイミングじゃない。頑張るときついことも分かっているからこそ、できれば避けたい。
そんな慢心と甘えの中で、時間だけが過ぎていきました。
それでも心のどこかでは、「このままじゃダメだ」と思っていました。そこで「やりたいこと」よりも「自分の強みを活かそう」と考え、コミュニケーションを武器に完全歩合制の営業の世界へ飛び込みました。」

「自分のため」から「仲間のため」へ
必死に行動し、20歳で月収100万円を超える経験もしました。しかし、自分一人が稼ぐだけの働き方に限界を感じ、成長のために営業会社へ転職しました。そこで仲間を紹介し、一緒に働くようになります。ところが現実は厳しく、仲間たちは思うように稼げず、生活が成り立たなくなっていきました。
気づけば私は、自分の給料から彼らの生活費を支えるようになっていました。そのとき初めて、「誰かの人生を背負う」という感覚を持ちました。自分のためだけに働いていた頃とは、エネルギーの出方がまったく違いました。
人に貢献しようと利他的に動くことが、こんなにも自分を動かす力になるのかと驚いたほどです。
「自分が稼げるなら仲間も稼げる。仲間が稼げないなら、自分も稼げない」
この想いから、起業を決意しました。「起業するなら東京で学べ」という言葉をきっかけに上京。福岡も都会だと思っていましたが、東京はまったく別世界でした。感情ではなく、論理と数字で動くビジネスの世界に触れ、逆に大きなやる気が湧きました。
知人宅に住み込みながら、営業代行会社・株式会社Stokを設立。順調に進み始めた矢先、最大の取引先を失うという出来事もありました。それでも諦めずに立て直し、3年目には社員10人規模へと成長。現在は4期目を迎え、さらに高い目標に挑戦しています。

Z世代に「今、この瞬間」から変われる場を
株式会社Stokは通信キャリアの営業代行を行っています。
「本当はもっと頑張りたい」「チャンスが欲しい」と感じているZ世代に、成長の場を提供することを使命としています。学生時代に勉強を後回しにしてきた自分だからこそ、「スタートはいつでも今が一番早い」というメッセージを伝えたいと思っています。
若さは最大の財産です。本気を出すタイミングを先延ばしにしているうちに、時間はあっという間に過ぎていきます。私自身、「あと数年早く動いていたら、今はもっと違っていた」と感じることがあります。
だからこそ伝えたいのです。完璧な準備なんて必要ありません。スイッチを入れるかどうかは、今この瞬間に決められます。この文章を読んだあなたが、「自分ももう一度頑張ってみよう」、そう思えるきっかけになれば嬉しいです。

Future Leaders Hub 編集部 