エンタメの枠を超えた社会貢献を実践するEXILE橘ケンチ、「夢の叶え方」と地域共生への思い
「ESG&well-being」連載第3回となる今回は、前回に引き続き『第4回 BEST SDGs AWARD for University Powered by SENSE TRUST』の模様をお届けします。
今回は、特別審査員の橘ケンチさん(EXILE)と学生たちが熱く語り合ったトークショーを詳報。LDH JAPANのSocial Innovation Officerとして地域共生に尽力する橘さんの想いや、これから社会へ羽ばたく学生へ贈られた「夢を叶える3つのステップ」とは。
エンターテインメントの枠を超え、一人のリーダーとして社会課題に向き合う橘さんの言葉から、これからの時代を生きるための「地域共生」と「自己実現」のヒントを探ります。

「学生プレゼンテーション」終了後、特別審査員を務めた橘ケンチさんと、決勝に進出した学生団体の代表者3名によるトークショーが行われました。
登壇したのは、創価大学の菅原絵美さん、京都大学の岸田淳志さん、東京大学の森環菜さんの3名です。学生たちは、それぞれの活動を推進する中で抱いた疑問や、将来のキャリア形成における考え方を橘さんに投げかけました。
対談では、橘さんが自身のライフワークとして取り組んできた地方創生の歩みや、所属組織において社会貢献を仕組み化していったプロセス、そして次世代への具体的なアドバイスが語られました。立場を超えて「社会にどのような価値を還元できるか」を模索した対話の模様を振り返ります。
Social Innovation Officerとしての歩み

(※以下、『BEST SDGs AWARD for University』運営事務局 古田佳帆氏より寄稿)
トークショーの冒頭、学生の菅原さんから、橘さんが務めるLDH JAPANの「Social Innovation Officer」としての具体的な活動内容について質問が投げかけられました。
これに対し橘さんは、就任の大きなきっかけとなった2016年開始の「SAKE PROJECT」について語りました。もともと日本酒が大好きで、約10年かけて全国200軒以上の酒蔵を巡り、その土地の魅力を知る活動を続けてきた橘さん。書籍の出版や酒蔵とのコラボ商品の開発、さらには農作業にも携わってきました。

当初は個人のプロジェクトでしたが、LDH JAPANが「社会貢献活動を社内外に発信していこう」という方針を打ち出したタイミングで代表から打診を受け、現在のポストに就任したという経緯を明かしました。
橘さんは自身の活動において、経済活動を行いながら地域に貢献する「CSV(地域共生)」や「CSR(社会貢献)」の考え方を大切にしています。具体的な取り組みは多岐にわたり、ダンスを通じた地域共生では、福井県福井市の中学校への講師派遣や、三重県松阪市での「ダンスドリームプロジェクト」、東京都目黒区でのシニア向けワークショップ「MDC SWP」などを実施。
また、シティプロモーションの面では、福井市の食のPR大使や三重県観光連盟の仕事、東海の発酵ツーリズムアンバサダーを務めるほか、福井市とLDH JAPANで地域活性化連携協定を締結するなど、自治体との深い連携も進めています。

さらに社会貢献活動としては、2010年から小学生対象のフットサル大会『EXILE CUP』を開催。延べ約5万人の子どもたちの夢を応援してきたほか、能登半島地震や東日本大震災の際には炊き出しを行うなど、有事の際の支援活動にも注力しています。エンターテインメントの枠を超え、多角的な視点で社会の循環を生み出している現状を、自身のこれまでの歩みと共に説明しました。
ライブを「点」で終わらせない。地域と紡ぐ持続可能な絆
続いて、学生の岸田さんから、橘さんやメンバーの方々がこれほどまでに地方での活動に注力する背景について質問が投げかけられました。
橘さんはこれに対し、自身の日本酒好きが高じて日本という国そのものが好きになり、各地の魅力に触れるうちにそれが自然と現在の仕事に繋がっていったという歩みを説明。
その上で、グループや会社としての重要な視点として、ライブを一過性の「点」に終わらせず、次回の開催までの期間に「いかに地域の方との絆を紡いでいくか」という「線」の意識を強調しました。
例えば、ホールツアーなどで訪れる小さな街の場合、一度ライブを行っても、次にいつ訪れられるかは予測がつきません。「次は1年後かもしれないし、10年後かもしれない。その時にはメンバーが変わっているかもしれない」だからこそ、その間も繋がりを絶やさないために、シティプロモーションの支援や企画立案などの地道なお手伝いを積み重ねていく。
こうした継続的な関わりがあるからこそ、再びライブを開催できた時に、街全体で喜びを分かち合える盛り上がりが生まれるのだと語りました。
「一期一会を大切にしながら地域との絆を紡ぐ」という橘さんの真摯な姿勢に、質問をした岸田さんも深く共感し、地域を盛り上げることの真意を再確認した様子でした。
未来を担う学生へ贈る、夢を叶えるための「3ステップ」

終盤、学生の森さんから「夢を叶えるために大切なこと」を問われた橘さんは、自身の経験に基づいた「夢を叶える3つのステップ」を学生たちへ伝授しました。
橘さんが提言したのは、まず「自分の大好きなことを見つけること」、次に「それをできる限りやり続けること」、そして最後が「いかに応援してくれる人をつくるか」という3段階です。
特に社会人になる上で重要となるのは、応援される魅力ある人間であることを追求するのと同時に、自分の夢に「いつ、どの程度のサポートが必要か」を論理的に整理すること。
「論理的に考えれば、夢の達成はぐっと近づく」という橘さんのアドバイスを受け、森さんも「好きであり続けることの大切さを実感した。私も夢を追い続けたい」と、自身の決意を新たにする場面もありました。
好きなことを力に変え、社会と共に歩む次世代リーダーへ
トークショーを通して、夢を叶えるために不可欠なのは「好きなことを続ける力」と「応援してくれる人との繋がり」であることを再確認しました。
橘ケンチさんが語った「夢を叶える3つのステップ」は、これから未知の世界へ踏み出す学生たちにとって、大きな指針となる内容でした。
地域と誠実に関わりながら新たな価値を生み出していく橘さんの姿は、これからのリーダーに求められる理想の在り方そのものです。今回の対話は、未来を担う学生たちが自分たちの夢への一歩を踏み出すための、貴重な時間となりました。
Future Leaders Hub 編集部