バックパッカーから経営者へ…コミュニケーションの力で「人の成長を最大化する」哲学
「人生は可能に満ちている」
そう語るのは、Coriginal株式会社の代表取締役社長、段原尚輝氏です。もともとは起業するつもりなどまったくなかったという彼が、なぜ経営者の道を歩むことになったのか。そして、その原動力となっている信念とは何なのでしょうか。
自身の壮絶な社会人経験や世界放浪の旅から得た独自の哲学、そして未来を担う若者たちへの熱いメッセージを伺いました。
人の成長を最大化する「すごい会議」

段原氏が現在、事業の主軸として取り組んでいるのが「すごい会議」というサービスです。そのユニークな名前とは裏腹に、組織学やコミュニケーション学など、さまざまな学問を統合して約50年前にアメリカで生まれた理論に基づいています。
「経営者の望むところに望む形で連れていく、というのが我々の役割です。Appleなども導入しているこの手法を使い、企業と人の成長を作り、経営者の志を実現しています」
段原氏の根底にあるのは、「人が成長することへの強い興味」です。人が成長し、世の中に提供する価値の総量が増えれば、社会はより良くなっていく。彼はそう信じています。
「人が一番成長するのは、チームで高い目標を掲げ、真剣に問題解決に取り組む中です。だからこそ、企業の成長をつくることが、人の成長をつくり、世の中を良くしていくことに繋がると考えています」
では、一般的なコンサルティングとは何が違うのでしょうか。段原氏はその違いを明確に語ります。
「一般的なコンサルは専門知識を提供するのが仕事で、答えはコンサル側が持っています。一方でコーチングは、『答えは相手が持っている』というのが大前提。私たちは質問によって、クライアント自身から答えを引き出していきます」
どちらがいい悪いではなく、タイミングによって使い分けるべきだと段原氏は補足します。
若いうちにこそ、死ぬほど働くべき理由
もし、今の知識を持ったまま学生に戻れるとしたら、どのような働き方を選ぶのでしょうか。彼の答えは明快でした。
「とりあえず、大変そうな会社に入りますね。新卒で入社した外資系コンサルのアクセンチュアでは、週に10時間しか寝ないこともあるほど死ぬほど働きました。その極限状態の中で問題解決能力が養われました」
学生と社会人の間には、世界が違うほどの壁がある。だからこそ、最初から厳しい環境に身を置き、経験を積んだ先輩たちに揉まれるほうが成長は圧倒的に早いと力説します。
驚くべきことに、段原氏は就職活動を「趣味みたいにやっていた」と笑います。
「自己分析や他の学生、会社の方との交流、面接などを通して自分が成長できるのが、すごく楽しかった。就活が終わったときは寂しかったですね」
この「楽しむ」という姿勢は、彼の哲学の核となっています。大学時代、夜遅くまで遊んだ後に猛然と勉強に戻る友人が「(この分野)楽しいからね」と言うのを見て、「努力量では勝てても、楽しくやっている人にはかなわない」と痛感した経験が原点にあるのです。
仕事に情熱を燃やす一方で、20代の段原氏が最も熱中したのは「バックパックの旅」でした。23歳で世界放浪を始め、ヨーロッパでは荷物を盗まれ、南米ではストライキに巻き込まれるなど、数々の困難に直面します。しかし、その経験こそが彼の価値観を大きく揺さぶりました。
「いいことも悪いことも交互に起きる中で、今までいかに自分が狭い世界で生きていたかを思い知らされました。自分の世界が唐突に理不尽に壊される感覚は、旅でしか味わえなかったですね」
社会人になってからも、時間を見つけては世界へ飛び出し、南極を除くすべての大陸を20代のうちに制覇したというから驚きです。インドの聖地バラナシで見た皆既日食の光景は、今も鮮明に記憶に残っていると語ります。

人生は可能に満ちている。ただし、チャレンジすれば
数々の経験を経て、段原氏が若者たちに伝えたいメッセージはシンプルです。
「人生は可能性に満ちている。でも、そこにチャレンジしたら、という条件が付きます」
彼自身、20代半ばで孫正義氏にプレゼンをするという無謀とも思える目標を立て、周囲に公言し続けた結果、1年以内にそれを実現させました。
「当時はただの会社員で、事業プレゼンなんてしたこともありませんでした。でも、『自分なんかができるわけない』と可能性を閉じていたら、今の自分はなかったでしょう」
挑戦には不安や緊張がつきものです。しかし、彼は決めたらやり抜く。その姿勢が、道を切り拓いてきました。
最後に、段原氏はこう締めくくりました。
「困難を避けるためのチャレンジに意味はありません。困難に自らぶち当たっていく、という意味でのチャレンジをどんどんやっていってほしいと思います」
自らの人生をもって「可能性」を証明し続ける彼の言葉は、未来に踏み出す若者たちの背中を力強く押してくれるに違いありません。
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Future Leaders Hub 編集部