ホーム>ESG&Well-being>「学生が関わる意味はあるのか」万博という巨大な舞台で葛藤した学生たちの「SDGsを“自分たちの物語”にする挑戦」
2026.04.30 18:18

「学生が関わる意味はあるのか」万博という巨大な舞台で葛藤した学生たちの「SDGsを“自分たちの物語”にする挑戦」


「ESG&well-being」連載第8回は、前回に引き続き『SDGs AWARD for University 2026』決勝進出団体による寄稿レポートをお届けします。

今回登場するのは、「『おもしろそう』から始まる共生社会」を理念に、ボランティアを自ら“創る”活動を展開する『学生団体おりがみ』です。

「学生が関わる意味はあるのか」——大阪・関西万博という巨大な舞台を前に突きつけられた自問自答は、彼らが「ボランティアの価値」を再定義する原点となりました。拠点である関東との温度差、そして想いが届かないもどかしさ。どうすればSDGsを「遠い誰かの目標」ではなく「自分たちの物語」にできるのか。

理想と現実の狭間で迷いながらも、万博という舞台で46日間を駆け抜けた彼らの、ひたむきで力強い歩みを綴ります。

「おもしろそう」を起点にボランティアを“創る”挑戦

学生団体おりがみは、「オリンピック・パラリンピックを学生みんなで」の頭文字を取った団体です。2020年東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、学生が社会や大規模イベントに主体的に関われる場をつくりたいと考え、立ち上がりました。活動を通じて私たちが感じたのは、主体的に関われるボランティアの選択肢がまだ少ないという現実です。

そこで「『おもしろそう』から始まる共生社会」を理念に、現在は関東を中心に80大学・400名以上の学生が集い活動しています。文化・環境・国際・福祉・教育・スポーツの6分野を軸に、ただ参加するのではなく、学生自身が企画し、試行錯誤しながらボランティアを“創る”ことで、SDGsが掲げる共生社会を自分たちの足元から実現しようとしています。

「万博に学生が関わる意義」を形づくる行動と選択

私が特に印象に残っているのは、大阪・関西万博に関わるプロジェクトです。私たちは、2020年東京オリンピック・パラリンピックの次なる挑戦として、大阪・関西万博を目標に掲げましたが、活動拠点が関東であるため、推進していけるか大きな不安がありました。

当時、関東では万博の話題はほとんど盛り上がっておらず、「学生が関わる意味はあるのか」と自問する日々もありました。思うように反応が得られず、企画が前に進まない時期もありましたが、それでも私たちは「万博に学生が関わる意義」を信じ、愚直に語り続けることを選びました。

大阪で行われるイベントに足を運び、登壇やブース出展を通じて学生や企業の方と意見を交わす中で、少しずつ共感の輪が広がっていきました。一方で、関係者が多い分、意見の対立や小さな認識のズレが大きなトラブルにつながる場面もあり、コミュニケーションの難しさを痛感する中で、「もっと準備の時間があれば」と悔やむことも何度もありました。

それでもメンバー同士で何度も議論を重ね、私たちが目指す社会の姿を言葉にし続けた結果、私たちは大阪・関西万博において10プロジェクト・46日間に携わることができました。開催期間の4分の1に関わるこの経験は、決して順調な成功ではなく、試行錯誤と失敗の積み重ねの先にありました。

この経験を通じて、SDGsは遠い目標ではなく、自分たちの行動と選択の連続で形づくられるものだと実感しました。強い想いを持ち続け、仲間と対話を重ねながら前に進む。そのプロセスこそが、持続可能な社会を支える力になると、今は確信しています。

「誰かの目標」を「自分ごと」に変えて社会を動かす確かな一歩

学生団体おりがみはこれからも、学生一人ひとりの「やってみたい」という想いを起点に、社会課題と向き合いながらボランティアを創り続けていきます。特に環境分野では、GREEN×EXPOを見据え、学生が主体的に関われる企画や実践の場を広げていく予定です。

気軽な一歩から始まった挑戦が、社会を動かす力へとつながっていく。そのプロセスを積み重ねることで、SDGsを「誰かの目標」ではなく「自分ごと」として捉えられる社会に確かなインパクトを生み出し、共生社会の実現を目指します。

 

この記事を書いた人
山岸荘汰
千葉大学 修士1年 学生団体おりがみ代表
「『おもしろそう』から始まる共生社会」を理念に、80大学400名以上のメンバーが文化・環境・国際・福祉・教育・スポーツの6分野から、ボランティアを企画する活動を行っています。


あなたにおすすめの記事