「声が変わると、ビジネスが変わる」ミュージカル俳優歴22年の夫婦が経営者に教える”伝わる話し方”
ミュージカル俳優として舞台に立ち続けて22年。その経験を武器に、経営者の「伝える力」を育てるビジネスへと踏み出した二人がいます。
合同会社コアヴォイス・プロデュースの大畠英人氏と、その妻であり共同創業者でもある嶋村みのり氏。群馬県桐生市・みどり市を拠点に、ミュージカルスクールの運営と、起業向けの話し方講座という二つの事業を展開しています。
内容が良くてもても、伝わらなければ意味がない
起業のきっかけは、ある違和感でした。
コロナ禍で舞台の仕事が激減した時期、嶋村氏は「腸活」の認定講師資格を取得し、セミナー講師としての活動を始めます。しかし、自らコラボセミナーを企画したとき、あることが目に留まりました。
「登壇していた講師の話を聞いていたら、一番前に座っていた人が寝てしまっていたんです。その現場だけではありませんでした。良いことを言っているのに、お客様が次々に寝てしまう。原因は一つでした。声が小さかったり、抑揚がない。それだけで、何も伝わっていなかったんです」
その瞬間、ある思いが胸に浮かんだといいます。
「腸活よりも、私はこっちのほうが役に立てる。そう思ったんです」
そして、視線を向けた先には、30年間、声の研究を続けてきた夫の姿がありました。

「役者が教える話し方」が効果的な理由
こうして二人が立ち上げたのが、起業家向けオンライン講座「仕事が取れる自己紹介講座」です。
声、表現力、マインド。この、3つをすべて組み合わせることが、講座の核心だといいます。
「声を変えるだけではうまくいかない。マインドセットだけでもうまくいかない。たくさんのモニターさんに教えてきて、ぶち当たり続けた壁がそこでした」と嶋村氏は振り返ります。
「アナウンサーの話し方と、役者の話し方は違います。私たちは22年間、どうやって表現するか、どうやって感情を言葉に乗せるかをやり続けてきました。それをビジネスに応用できることが強みです」
現在、グループ講座の受講者は約50人。「売上の桁が変わった」「事業パートナーがゼロから20人に増えた」「1か月で売上4倍を達成した」といった受講生の声が口コミで広がっていると嶋村氏は明かします。(※成果には個人差があります。)

「話すのが苦手」は、才能の問題じゃない
心から「やっていてよかった」と感じた瞬間を問うと、嶋村氏はある受講生の顔を思い浮かべるように答えました。
「来たときは目が泳いでいて、何を言っているのかよくわからないような状態でした。その方が半年後に、こう言ってくれたんです。『この講座を受講したことで、本当にやりたいことがわかりました。自分の人生を、自分で幸せにできるようになりました』と」
意外なことに、大畠氏自身もかつては人前で話すことが苦手だったといいます。
「ビジネスを始めた当初は、交流会になんて絶対に行きたくなかった。無理やり行っても、ほとんど誰とも話さないまま時間が終わっていました。ただ、今になって思えば、もっと自分の気持ちに正直に、自分のことを伝える努力をしていれば、人生は全然違ったはずです」
その経験があるからこそ、伝えられる言葉があると大畠氏は強調します。
「話すのが苦手、人前に出るのが怖い。それはただの思い込みで、才能の問題ではありません。自分にとって必要だと思えば、いつでも変えられることなんです」 どれほどテクノロジーが発展しても、自分の人生を変えてくれるのは人であり、ビジネスの基本はいつまでもコミュニケーションだと二人は確信しています。言葉に感情を乗せて伝えれば、世界は変わる。舞台の上で磨き続けた技術が、いま、経営者たちの仕事と人生を動かしています。

あなたにおすすめの記事
バックパッカーから経営者へ…コミュニケーションの力で「人の成長を最大化する」哲学
「受験は社会に出るための予行演習だ」 大学中退、アジア放浪、自衛隊入隊、公務員転職…“異色の塾経営者”の教育哲学
「周りからどう見られるかなんて関係ない」老舗企業のリーダーが考える“AI時代の最強スキル”
「給与ゼロ」でも諦めない──23歳で4000万円の負債を背負った鰻店経営者が描く“終身雇用”の将来設計
借金4億5000円からの再建…元リクルート経営者が「プロ野球選手の夢」の先に見出した理念と情熱
「生意気だ」と言われた“学歴ゼロ”の若者が21歳で独立。創業から会社売却、上場に再挑戦するまで
「起業は逃げに等しいかもしれない」大手IT企業から独立した経営者が明かした“自由を求めた本音”
「仕事にやりがいを感じる日本人はわずか2割」東大生を起業に突き動かした“衝撃的な現実”
「社員は仲間、本当は友達になりたい」24歳で創業した経営者が語る“覚悟と絆の経営哲学”
Future Leaders Hub 編集部