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2026.09.07 16:00

公認会計士からIT企業トップへ…「失敗はすべて経験になる」チャレンジへの渇望


公認会計士からIT企業のトップへ……株式会社ハイブリッドテクノロジーズ代表取締役、平川和真氏が歩んだ道のりは決して平坦なものではありませんでした。

大学受験の失敗を「敗者復活」の機会と捉え、猛勉強の末に資格を取得。その後、安定したキャリアを捨てて海外へ挑戦し、現在は日本とベトナムをつなぐIT企業の代表として手腕を振るっています。

そんな平川氏の原点には、常に挑戦への渇望がありました。苦境の中で代表の座を引き受けた決意とキャリア形成についての考えを聞きました。

日本とベトナムの「いいところ」を取る

ハイブリッドテクノロジーズは、日本とベトナムを拠点に、ITの総合的なサービス支援を展開しています。かつてはベトナム人エンジニアを活用した「ハイブリッド型サービス」を主軸としていましたが、近年はM&Aを重ね、コンサルタントや日本側のエンジニアの領域も拡大。企業の課題を上流から洗い出し、サービス開発、そして成長支援までを一貫して手掛ける体制を構築しています。

同社の強みは、日本とベトナムのエンジニアが連携するハイブリッド体制です。その背景について平川氏は次のように明かします。

「もともとは2016年にベトナム人だけの会社として立ち上がりました。ベトナム人だけで日本のお客様を支援する形から、日本人も入ったほうがコミュニケーションや業務理解がスムーズになるという課題を感じ、日本側の組織を強くしていったんです」

結果的に日本とベトナムの「いいところ」を取って一つのチームを作る構想になったといいます。しかし、文化や育ってきた環境が違う両国のメンバーが協働するには、乗り越えるべき壁もありました。

「一番難しいのは、日本人とベトナム人、それぞれの考え方やビジネスの違いです。そこをお客様含めて一歩ずつお互いに歩み寄っていく姿勢とかマインドを、お互いが持てるかがとても重要かなと思っています」

言語の壁はツールやAIで解消できても、マインドの部分は丁寧な相互理解が不可欠でした。

大学受験で失敗、「敗者復活」で会計士を目指す

現在はグローバルIT企業のトップを担う平川氏ですが、そのキャリアのスタートは「数字のプロ」である公認会計士でした。20代の頃に最も熱中したことを尋ねると、最初にそのキャリアにつながる答えが返ってきました。

「20代の最初は、公認会計士の資格を取ることにすべて集中していました。資格取得のための勉強は大学1年生のときに目指し始めたんです」

そのきっかけは、大学受験の失敗にあったといいます。

「もともとはアメフトが強かった京都大学に行きたくて勉強したんですけど、結果的には受からなかった。それで京都大学以外だったら別のことをやろうといろいろ探して、将来の武器になりそうなものを手に入れたいなと。アメフトを辞めた代わりに始めたのが資格の試験だったんです」

平川氏はこの経験を「敗者復活で、会計士を目指した感じですかね」と振り返ります。明確な目標を定め、20~23歳頃までは資格取得に全力を注ぎました。

公認会計士として監査法人でキャリアを積んだのち、平川氏は日本での安定したキャリアを捨て、海外へと飛び出します。その決断の裏には、長年抱えていた思いがありました。

「ずっと海外に対するコンプレックスみたいなのがありました。英語ができないとか、海外の人とコミュニケーションが難しいとか。そういう環境にチャレンジしたいなと思って、監査法人に就職したときから次は海外に行こうと決めていました」

会社が苦しい時期に決断した社長就任

当初はシンガポールのグループ会社への出向も考えましたが、時間がかかりそうだったため、退職して自ら海外へ渡ることを決意。マレーシアのコンサルティング会社に転職し、約3年の経験を積んだ後、ベトナムへと拠点を移しました。

その後、現在のハイブリッドテクノロジーズにCFOとして参画。バックオフィスを統括する役割を担っていましたが、大きな転機が訪れます。

2024年、平川氏はCFOから代表取締役社長に就任します。それは会社が非常に厳しい局面にある中での、重い決断でした。

「代表になったときは、会社としてかなり苦しい時期だったんです。業績的にも厳しかったですし、組織の士気をもう一度引き上げていく必要性を感じていた状況でした」

会社として次のフェーズに進むため、変わらなければいけない。前代表とともにさまざまな選択肢を考える中で、平川氏は自らが先頭に立つことを決意します。

「ずっと一緒にやってきた会社ですし、愛着もあります。自分だからできることもあるのかなと思って、この改革に挑戦したいなというふうに思いました」

厳しい状況だからこそ、自らの手で未来を切りひらきたい。その強い思いが平川氏を動かしたようです。

挑戦の失敗は、「敗北」ではなく「経験」になる

公認会計士からIT企業の経営者へ。異色のキャリアを歩んできた平川氏に、もし新入社員時代の自分にアドバイスできるとしたら、何を伝えるのでしょうか。

「もっと早い段階で挑戦しておけばよかったと思っています。少し踏み出すのが遅かったかもしれません。背伸びをしてでも、自分で何か道を探して仲間を集めて、自分の仕事や事業をやるというチャレンジを、早いタイミングでできるとよかったかなと思います」

自身の20代を振り返り、「むしろちょっとやりきれなかったかなっていう反省ですね」と語ります。

「本気で挑戦して失敗したときは、手を差し伸べて助けてくれる仲間や、周囲の人々が必ずいます。人を裏切るような致命的なことがなければ、ビジネス的な失敗はむしろ経験になるのかなっていうふうには考えています。自分ができる最大限のチャレンジをした先にしか、自分が思い描いた成長はないのかなと。チャレンジの幅をどんどん広げていってくれるといいんじゃないかな」

失敗を恐れず、常に挑戦の幅を広げ続ける。そんな平川氏の言葉は、変化の激しい時代を生きるビジネスマンの背中をきっと押すはずです。


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