「ローンを先に、家探しは後に」日本の住宅購入文化を変える“元俳優経営者”の挑戦

FBモーゲージ株式会社代表の根石高宏氏が目指すのは、アメリカでは主流の「ローンを先に、家探しは後に」という文化の創造。なぜこの事業にたどり着いたのか、その背景には20代でのユニークな経験がありました。
俳優を目指し、演歌歌手のマネージャーを経て、住宅ローン業界で起業したという異色のキャリアを歩んできた根石氏が語る仕事観、そして未来を担う若者へのメッセージに迫ります。
新たな住宅購入の文化を日本に作りたい
FBモーゲージ株式会社は、住宅購入時のローンサポートを専門としています。根石氏は日本の住宅購入プロセスに課題を感じ、この事業を立ち上げました。
「家を買うときっていうのは、ほぼすべての人が不動産会社に行きますよね。ただ、アメリカですと、先にローン審査を通してから、そのあと家探しっていう流れなんですよ。なので、その文化を日本にも作りたいという思いでずっとやってきました」
きっかけは、従来のやり方にあった非効率さでした。
「『家を買いたいです』と不動産会社に行って物件を見つけても、結果的に住宅ローンが通りませんでした……で、またゼロからスタートですって、なんかすごい効率が悪いなと思ったんです。であれば、シンプルに住宅ローン使うんであれば、ローン先に審査通したあと家探したほうが効率がいいし、お客さまの負担もないし。不動産会社からしたら、ローン通ったお客さんを接客できるという点もメリットです」
それは顧客にとっても不動産業界にとってもメリットのある仕組みだと根石氏は考えています。
芝居に熱中した20代、オーディションは200回以上
今でこそ経営者として活躍する根石氏ですが、学生時代は全く違う夢を追いかけていました。
「学生時代は、ずっと芝居をやってました。役者の夢を追って目指していた時期ではありましたね」
しかし、その道は決して平坦なものではなかったようです。
「本当にオーディションをたくさん受けましたね。たくさん恥もかいて、たくさん失敗して……200以上受けてるんじゃないですかね。もちろん、受かったものもありますし、落ちるときは当然落ちるっていう世の中なので」
この経験が、人前で何かをすることへの耐性をつちかったと振り返ります。若いうちの失敗がいかに重要かを自身の経験を通して語りました。
「いかに若いうちに恥ずかしい思い、失敗を経験できるかは大切です。やっぱり40歳を超えてね、それはやっぱり無理だと思いますし。とにかく、やり続けたら失敗にはならない。絶対いい経験になるんで、どんどんチャレンジはしてほしい」

演歌歌手のマネージャー経験が今の経営に生きている
芝居の道を24歳で区切り、次に選んだのは演歌歌手のマネージャーでした。
「裏方に回って正社員で働こうって思ったんです。『24歳までに結果を残せなかったら俺は辞める』って決めてやってたので」
マネージャーの仕事は多岐にわたり、その経験が現在の経営に大きく生きていると話します。
「タレントさんが商品なのでなんでもやります、送り迎えからスタート。音合わせ、ヘアメイクさん、音響さん、いろんな方のスケジュールを押さえて。ライブだとリハーサルもあるし、ギャラ交渉もあるし、もう本当にたくさんあります」
この経験から、組織運営における重要な視点を学びました。
「関わる人の誰かにしわ寄せがいかないようにっていうのはマネージャーの仕事です。今、会社でも誰かに大きな負担がかからないことは意識して経営してますかね」
「あなたでよかった」が一番のやりがい
さまざまな経験を経て、根石氏は住宅ローンの世界にたどり着きました。仕事が楽しいと思えた瞬間はいつだったのでしょうか。
「やっぱりお客さんからの評価じゃないですかね。『根石さんでよかった』って、『根石さんにしか頼めなかった、よかった』って言ってもらえるときが、やっぱり一番やりがいを感じれる」
もし、今の知識を持ったまま学生に戻れるとしたら、どのようなキャリアを選ぶかという問いには、迷わずこう答えました。
「おそらく自分でやりますかね。自分で会社をつくります。経営ってやっぱり楽しいっすよね。決断、判断っていうのは常にしなきゃいけない役割ですけど、この世の中のためになるサービスをつくれて、たくさんの人が使ってくれて、それに喜んでもらえるんだったらやる価値があるなみたいな」

自分が裏切る人間にならなければ、世界は開ける
最後に、これから社会に出る若い世代に向けて、力強いエールを送りました。
「いい大人もいれば悪い大人もいて、時には騙されるかもしれないですけども、ちゃんと人と向き合って、『この人だ』って思える人についていくのがいいと思います。裏切られることもあるかもしれないですけど、自分から裏切るような人間にならなければ、僕は世界が開けると思っています。まず、とにかく人を見るっていうことはすごい大切なことなのかなというのはあります」
俳優志望からマネージャー、そして経営者へ。一見すると回り道に見えるキャリアも、すべてが現在の糧となっているようです。
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Future Leaders Hub 編集部